タイは日本とは異なり、チップ文化が根付いています。しかし、チップの習慣は欧米ほど厳格ではなく、状況やサービスの質に応じて渡すのが一般的です。この記事では、ホテル、レストラン、マッサージなど、シーン別にチップの相場やマナーを解説します。

ごーたい編集長
タイでスマートに過ごすには
必須知識です。
タイではなぜチップ文化があるのか?
タイでチップ文化がある理由は、以下のような歴史的・経済的・社会的背景によるものです。(諸説あり)
1. 低賃金を補う“心づけ”としてのチップ
多くのサービス業従事者(ホテルスタッフ、マッサージ師、レストラン従業員など)は基本給が低めに設定されていることが多く、チップはその補填となる重要な収入源です。
→ 特に観光地では、チップが収入の一部として計算されていることもあります。
2025年5月25日時点では最低賃金1日THB372≒1,674円(バンコク)THB1=4.5円計算
県による最低賃金は異なる。
2. 外国人観光客の影響
タイは観光立国として世界中から旅行者を受け入れています。欧米諸国など、もともとチップ文化がある国からの観光客が多いため、観光業界では自然とチップが定着していきました。
3. 「ありがとう」の気持ちを伝える習慣として定着
タイ人は「微笑みの国」と呼ばれるほど、人間関係を大切にする文化があります。
その中でチップは、感謝の気持ちやサービスへの満足度を伝える手段として受け入れられてきました。
→ 特に良いサービスを受けたときは、自然な形で「ありがとう(コップンカー/カップ)」とともにチップを渡すのがタイ流。
4. 義務ではなく“気持ち”が大事
タイのチップ文化は義務ではなく任意であり、強制されるものではありません。
「してもらってうれしかった」「サービスが丁寧だった」と思ったときに渡すのが一般的です。
シーン別にチップの相場を紹介
ホテルでのチップ

- ベルボーイ(荷物運び):20〜50バーツ
- ベッドメイキング:1泊あたり20〜50バーツを枕元に置く
- ルームサービス:サービスに満足した場合、20〜50バーツ
高級ホテルでは、スタッフがチップを期待している場合が多いため、サービスに応じて適切な額を渡しましょう。
レストランでのチップ

- サービス料込みのレストラン:追加のチップは不要
- サービス料なしのレストラン:会計額の5〜10%程度
- 屋台やカジュアルな食堂:チップは不要、またはお釣りを渡す程度
高級レストランではサービス料が含まれていることが多い。
マッサージ・スパでのチップ

- 一般的なマッサージ店:施術後に50〜100バーツを担当者に直接手渡し
- 高級スパ:一般的には料金の10〜20%程度(3,000バーツのメニューに対して20%の600バーツは多い気がしますので、多くても200バーツ~300バーツで良いと思います。
マッサージ料金は前払いが一般的で、施術後にチップを渡すのがマナーです。特に満足した場合は、チップを多めに渡すと喜ばれます。
タクシー・交通機関でのチップ

- メータータクシー:お釣りをチップとして渡す(例:料金が95バーツの場合、100バーツを渡してお釣りを受け取らない)
- トゥクトゥク:料金を切り上げて渡す(例:90バーツの料金に対して100バーツを渡す)
アプリを利用した配車サービス(Grabなど)では、チップは不要です。
その他のシーンでのチップ
- ツアーガイド:1日あたり100〜500バーツ
- ゴルフのキャディー:300〜500バーツ
これらのシーンでは、サービスの質や満足度に応じてチップを渡すのが一般的です。
チップを渡す際のポイント
- 現金で渡す:チップは現金で渡すのが一般的です。小額紙幣(20バーツ、50バーツなど)を用意しておきましょう。
- 直接手渡しする:チップはスタッフに直接手渡しするのがマナーです。
- 感謝の言葉を添える:「コップンカー(女性)」「コップンカップ(男性)」と感謝の言葉を添えると、より丁寧です。
- 無理に渡す必要はない:チップは感謝の気持ちを表すものであり、必須ではありません。
まとめ|タイのチップ文化を知って、より心地よい旅を
タイでは、チップはあくまで「ありがとう」の気持ちを伝える手段として根付いています。
日本とは異なる文化に最初は戸惑うかもしれませんが、少しの気配りと現地のマナーを意識するだけで、現地の人との距離がぐっと近づき、より気持ちの良い旅ができるはずです。