多ジャンルのエッセンスを組み合わせ、独自のミクスチャーサウンドを生み出す5人組バンドKroi が、初のアジアツアー「Kroi Live Tour 2025 – ASIA」を掲げ、ソウル・台北に続く最終地としてバンコクに上陸した。会場はBlueprint Livehouse。ステージとの距離が近いライブハウスとして知られ、音の厚みや演奏力を間近で感じられる人気のライブスペースだ。
タイではアニメ『SAKAMOTO DAYS』OP曲「Method」のヒットもあり、Kroiの名前は若い層を中心に広まりつつある。そんな中で行われた初のタイ公演。期待と好奇心を乗せた観客が開場前から列を作り、会場内にはすでに“特別な夜”を予感させる熱気が満ちていた。



ごーたい編集長
箱が小さいからこそ味わえる
臨場感溢れるライブでした!
タイムテーブルと会場の空気

当日のタイムテーブルは以下の通り。
- 18:30 開場
- 19:00 サポートアクト:FORD TRIO
- 20:15 Kroi 本編スタート
前売りチケットは 950THB。(約4,750円。THB1=5円)
リーズナブルな価格ながら、内容はその何倍もの密度と満足度を備えたライブだった。
Blueprint Livehouseは天井が低く、バンドとの距離が非常に近い。観客の表情も、メンバーの細かい表情もはっきり見え、音の振動が体をダイレクトに揺らす。ライブが始まる前から、まさに“音が生まれる瞬間を体感する箱”といった雰囲気だった。
サポートアクト:FORD TRIOが作り出したグルーヴ

19時、タイの実力派インストバンド FORD TRIO がステージに登場。
ジャズ/ソウル/ファンクをベースにした3人組で、テクニカルかつ滑らかな演奏が特徴だ。
ギター、ベース、ドラムそれぞれが高い技術を持ち、三位一体のアンサンブルで会場を一気に暖めていく。Kroiの複雑かつリズミカルなグルーヴと地続きになるような音像で、この後に登場するKroiの世界観へと観客を自然に誘導する見事なオープニングだった。
20:10頃Kroi登場。音の圧力がライブハウス全体を包み込む

Kroiがステージへ姿を現すと同時に大きな歓声が上がった。
1曲目の 「Monster Play」 から、重心の低いビートと鮮やかなコードワークが炸裂。
ライブハウス特有の近距離空間がさらに音の迫力を増幅し、観客は一気に音の渦へ巻き込まれていく。
続く「Noob」「Fire Brain」と序盤からテンポのあるナンバーが続き、会場全体が体を揺らしながらKroiのサウンドに没入していった。
中盤、楽曲の深みへ潜るようなセット構成

最初のMCを挟んで披露された「Sesame」「Amber」「侵攻」「Haze」では、
Kroi特有の“緊張感とリリースが交互に訪れる構造”が際立ち、
観客の集中が一段と高まっていく。
このあたりから、Blueprint Livehouseの音響の良さがより感じられ、
各楽器のニュアンスが細かく伝わる密度の高い時間が続いた。
「Never Ending Story(オリジナルライブVer)」で会場の空気が一変
8曲目の「Never Ending Story」はライブアレンジが施され、
原曲とは違ったダイナミクスと色彩感に観客が聴き入り、
ステージとフロアの間にしっとりとした一体感が生まれた。
そして再びMCを挟み、いよいよ後半戦へ突入する。
後半のピークは圧倒的。「Method」で爆発する熱量
9曲目の 「Method」。
イントロが流れた瞬間、観客全員から大歓声が上がり、この日最大の盛り上がりを見せた。
『SAKAMOTO DAYS』の人気もあり、タイの若い層がこの曲をきっかけにKroiに興味を持つケースも多い。サビでは多くの観客が手を上げ、曲のリズムに合わせて体を揺らし、ライブハウス全体がひとつの波のように揺れた。
続く「Hyper」「HORN」「Shincha」では、バンドのアンサンブルがさらに強度を増し、Kroiの“ライブバンドとしての力”が存分に発揮された時間となった。
アンコール:Juden → 1-100
本編終了後、観客の拍手と歓声が続き、Kroiはアンコールに応えて再登場。
アンコール1曲目は 「Juden」。
ダークで力強いグルーヴがフロアをさらに熱くし、
続く 「1-100」 では観客が一体となるような美しい締めくくりとなった。
ツアー最終地ということもあり、メンバーの表情には達成感と名残惜しさが入り混じり、
観客もその空気を感じ取りながら、最後の音を全身で受け止めていた。

ごーたい編集長
アンコール時に衝撃を受けたのは、
日本人ではない、タイ人や外国人から
英語やタイ語でアンコールの声が聞こえた。
日本語の分かる外国人は「もう1曲!」と日本語でも
言っていた。
本公演セットリスト(2025/11/30 Bangkok)
- Monster Play
- Noob
- Fire Brain
—— MC —— - Sesame
- Amber
- 侵攻
- Haze
- Never Ending Story(オリジナルライブVer)
—— MC —— - Method
- Hyper
- HORN
- Shincha
——Encore—— - Juden
- 1-100
まとめ Kroiがアジアで示した“ライブバンドとしての価値”

今回のバンコク公演は、Kroiが海外でも強く支持される理由を明確に示した夜だった。
- ライブハウスで映える圧倒的な演奏力
- ジャンルを軽々と横断する独自の音楽性
- 海外ファンへも届く世界観
- 「Method」などを通じた新たなリスナー層の拡大
初のアジアツアー最終地として、彼らにとっても観客にとっても特別な意味を持つ一夜となった。
Kroiの次のステージがどこへ向かうのか、改めて期待が膨らむライブであった。
ライブ終盤では、このように語っており、来年もタイに来て欲しいと願うファンは多いと思う。

Vo. 内田怜央
またタイに来たいと思っているから、
みなさんいっぱい応援してください。


